女性ホルモンの変化と歯周病
「子どもを1人産むたびに歯を1本失う」と言われるように、妊娠・出産は女性の口の中を悪化させる傾向がある。
女性特有の歯周病にかかやすい因子として「女性ホルモンの影響」がありそうだ。
この時期には、とりわけ日常のケアが必要だ。
■妊娠による女性ホルモン・エストロゲンの増加
歯と歯ぐきの隙間からしみでるエストロゲンが増加することで、歯肉炎の細菌が異常増殖してしまう。
この菌はもともと口の中の粘膜などにいる害のない細菌だが、あまりに増え過ぎると悪いはたらきを及ぼすようになる。
また、出産と歯周病との関係で言えば、歯周病菌を撃退する免疫反応として分泌されるサイトカインが羊膜を破壊し、早産の原因になったり、低体重児の出産につながるとの報告もある。
■閉経後、骨粗しょう症にかかりやすくなること
閉経後、女性ホルモンの分泌が減少することで骨粗しょう症にかかりやすくなる。
歯を支える歯周組織の破壊を加速させてしまうことも。
■更年期障害や骨粗しょう症の治療に用いられるエストロゲンの影響
更年期障害や骨粗しょう症の治療にはエストロゲンなどが用いられるが、その副作用で歯肉の健康が損なわれるケースもある。