また強い日差しが照りつける夏がやってきます。「真夏日」、「熱帯夜」とともに「熱中症」という言葉がニュースに頻出する季節です。この熱中症は、高温、高湿度の環境下で起こる、夏の代表的疾患のひとつです。
東京消防庁の調べによれば、熱中症によって救急車で搬送された患者数は、年々増加傾向にあります。熱中症は、その症状により、比較的軽症の「熱けいれん」、中等度の「熱疲労」、重症の「熱射病」の3つに分けられます。
熱けいれんは、発汗後の大量の水分補給によって、ナトリウムなど血中のミネラル成分が薄まることが原因で、極度の筋肉痛やこむら返りといった症状が現れます。
また、熱疲労は、大量の発汗による脱水症状によるもので、おもな症状は、めまいや頭痛、脱力感、吐き気など。
さらに、熱射病は、極度の体温上昇により、中枢神経や臓器が障害を受けたときに起こります。失神や意識障害、ショック症状が現れ、体力や順応力が不足している場合は、命に関わることもあり、注意が必要です。