太ももやふくらはぎなど脚の奥のほうに、まるで虫がはい回っているような「むずがゆさ」や「ピリピリ感」があって、じっとしていられない、一晩中眠れなかった
――などという症状を訴える患者さんが、この数年で目立つようになってきました。
不眠を訴えて睡眠障害の専門医などに受診すると、「むずむず脚症候群」という病名で診断されることがあります。
「むずむず脚症候群」は、脚の表面ではなく奥のほうに、「アリがはい回っているような感じ」「ピリピリ、ピクピクする不快感」が、多くは夕方から夜間におこります。
初めは時々おこる程度だったものが、やがて毎日、それも夜だけでなく昼間、テレビを見ているときとか会議中のように、座ってじっとしているときにもおこるようになります。
また、患者さんの8割ほどに、夜中に自分の意思とは無関係に足首から先が周期的にピクッと動く「周期性四肢運動障害」といわれる症状もみられます。
こうした症状で夜は眠れず、日中は異常な眠気に悩まされ、日常生活に支障が出たりうつ状態におちいる人もいるほどです。
「むずむず脚症候群」は、決して軽視できない病気なのです。