気象の変化が影響を与える病気には、気象の変化そのものが体に大きなストレスとなって病気を招いたり、持病を悪化させたりする場合と、気象の変化によって細菌やウイルスが繁殖して、結果的に病気になるという場合があります。
例えば、寒冷前線が通過したときの急激な気象の変化や、冬場の気温の低下などによって、関節炎やぜんそく発作が起こることがありますが、これは気象の変化そのものによるケースです。
一方、乾燥した空気中でウイルスが増加して感染するインフルエンザ、夏の猛暑と少雨によって翌年に増加する花粉症などは、気象の変化が直接にではありませんが、間接的に影響を与えて起きる病気です。
前者を気象病、後者を季節病と呼ぶこともありますが、どちらにも当てはまる病気もあって、厳密な区別は難しいようです。
ところで、昔から、「季節の変わり目には体調を崩しやすい」といわれ、実際に、関節炎のある人は関節痛に悩んだり、健康な人でも風邪をひきやすい傾向があるようです。
どうして、季節の変わり目には体調を崩しやすいのか-その原因は、季節の変わり目に訪れる雨の降りやすい期間にあります。
雨の降りやすい期間といえば、春と夏の間の梅雨が一番ハッキリしています。およそ40日間続くことから、「日本には四季ではなく、五季がある」といわれるほどです。
ほかに、夏から秋へと変わる9月半ばから10月上旬にかけて"秋の長雨"があり、秋と冬の間には11月半ばから12月上旬の"サザンカ梅雨"、冬と春の間には"ナタネ梅雨"があります。
年によって、あるいは地球温暖化の影響で、なかなか時期を特定しにくくなっていますが、いずれにしても、その期間に日本付近を低気圧や前線が通過しやすく、雨が降りやすくなるのです。
それぞれの特徴をまとめたものですが、天気や気温の変化が激しいことが分かります。こうした気象の大きな変化が、体にストレスを与え、体調を崩す原因になるのです。