体臭には臭い物質から分類すると、脂質系、タンパク質系、糖(炭水化物)系の3種類があります。このうち汗臭さを強くしたような脂質系の体臭は、ストレスが最も大きな原因となります。
また、タンパク質系の体臭は「腸肝循環」が関係している場合が多く見られます。「腸肝循環」とは、腸と肝臓の間で行われる、臭い物質などいろいろな物質の循環システムのことです。
正常な肝臓なら、小腸で吸収された栄養を吸収すると同時に、臭い物質も分別して排泄します。ところが肝臓の働きが悪くなると、分別機能が低下し、臭い物質はそのまま血流に乗って全身を巡ります。
これが肺に送られれば口臭になり、皮膚では臭い汗を発生させ体臭となるのです。
肝臓や腸の働きが、体臭に大きくかかわっているということは、逆に肝臓や腸の働きを良くすることで、においを防ぐことができるということです。
ワキガ以外の体臭はほとんどが生活習慣の乱れが原因。お酒や煙草で肝臓の働きが悪くなっているお父さんは、生活習慣病も恐いのですが、体臭も気にしなくてはならないのです。
腸では食べ物の栄養と水分を吸収し、残りを便として排出しますが、その働きを助けているのが、腸の中にすみ着いているビフィズス菌などの善玉菌です。
一方、ウェルシュ菌などの悪玉菌は、腸内のタンパク質を分解してアンモニアなどの臭い物質を作ってしまいます。この臭い物質が腸から血管に入り体臭として発生するのです。
便のにおいが強い人は、体臭も強い傾向があるのは、こんな理由から。ヨーグルトや食物繊維の多い食品は、腸内環境を整えるために積極的に取りたいものです。またオリゴ糖が善玉菌を活性化させるので、オリゴ糖の多いアスパラガスや大豆も体臭予防になる食品です。
ヤマイモやサトイモなど、ムコ多糖類の多い食品は汗腺機能を高めるといわれています。また、亜鉛を多く含む食品を取ると、皮膚の知覚神経を高め、体温調節がスムーズになるといわれています。
さらに、豆乳には汗腺機能を調節し、メカブは腸内の臭い物質を吸着して体外に排泄する働きが期待できます。