これに対し、稲次氏は「水をたくさん飲めばコレステロールが減るというものではない」と言います。
「2リットルという数字は、尿として排泄されたり、汗のように体から自然に蒸発していくような水分量に匹敵するので、あながち間違いではありません。しかし、水を飲もうとことさら意識しなくても、普通の生活をしていれば、食事やお茶などで自然にそれだけの水分は取れるはずです」と稲次氏。
ただし、女性の場合は、男性に比べて尿道が短いことから、膀胱炎になりやすい傾向があります。この膀胱炎の予防には、水分の取り方にちょっとした工夫をしたほうがよさそうです。
「膀胱の中は温かく細菌が繁殖しやすい環境なので、尿が長い間膀胱内にたまっていると、細菌が増えて膀胱炎を招きかねません。膀胱内に細菌を増やさないためには、ある程度の水分を摂取して、尿の排泄を促す必要はあるでしょう」と稲次氏は話しています。
しかし、「がぶがぶ飲む」ほどの水分量ではなく、食事と食事の間に、少しずつお茶などを飲むという程度で十分だそうです。
「女性の場合、あまり水分をたくさん取ると、冷えやすいという問題があります。膀胱炎を予防するためには、水分をたくさん取って尿量を増やすのではなく、尿意を我慢しないことが大切なのです。職場などではトイレに頻繁に立つことに抵抗があるでしょうが、水分は少しずつ取って、尿意を我慢しないように心掛けていただきたいものです」と稲次氏はすすめています。