暑い季節を迎えると、たびたび問題になるのが熱中症の発生です。
高齢者や子どもが熱中症で倒れたというニュースをよく見聞きします。
高齢者や子どもは、どちらも体温調節能力が低いため、脱水に弱いからですが、女性にも無関係ではなく、運動中の熱中症は少なくありません。
また、激しい運動をしているときだけでなく、直射日光のもとで長い時間、ガーデニングや畑仕事などをしていて熱中症になってしまうこともあるそうです。
熱中症というと、真夏の7~8月に頻発すると思いがちですが、「熱中症予防に6月は大事な時期」だと言います。
「真夏になると、体が暑さに慣れて汗を上手にかき、体温などをコントロールすることができるようになります。
しかし、6月は、体が暑さにまだ慣れていないため、汗のかき方が下手で、体温調節がうまくできません。
特に、梅雨の晴れ間で気温が高くなったときなどは、湿度も高く、汗が蒸発しにくく、そのため、熱中症になりやすいのです」と。
一般に、汗が出ると、体にとって余分な水分が出てきたと思う人が少なくありませんが、「それは誤解です」と言います。
「汗は、運動などで体が熱を持ったときに、体を冷やして体温を調節するために出てくるものです。
車でいえば、ラジエーターの役目を果たしているわけです。
したがって、水分補給が追いつかないと汗をかけなくなって、体温はどんどん上がってしまいます。
こうして、熱中症の一つ、熱射病になってしまうのです」(
熱中症は、汗をかいている割に水分補給が追いつかず、体温が上昇してしまった状態です。
体が水分を必要としているのに、水分が補給されないと、血液の量が減って血圧が下がってしまいます。
その結果、ショック状態に陥ってしまうのです。
「熱中症を予防するためには、のどが渇いたと感じる前に水分を取ることが大事です。
のどが渇いたと感じたときには、すでに脱水状態が始まっているからです」と言います。
「特に、高齢になってくると、体内の水分は少なくなっているので、なおさら熱中症になりやすく、それだけに水分補給は大切です。
冬に比べて、夏は多めに水分を取ることをおすすめします」と。