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「禁煙補助薬」の活用で無理なく確実に禁煙 その3

禁煙指導を欠かさず受け、受診から4週間以内に禁煙開始へ




 日本人喫煙者におけるバレニクリンの有効性・安全性を検討するために行われた臨床試験では、1日2回、12週間のバレニクリン服用によって、持続禁煙率(禁煙開始後9~12週の間に1本も吸わなかった人の割合)はプラセボ(偽薬)の40%に対して65%と明らかに高い結果となりました。


 副作用としては、4人に1人(24%)に嘔気(吐き気)がみられ、それを抑える薬との併用なども重要であることが分かりました。




 このバレニクリンを使って、北里大学北里研究所病院で2008年6月から9カ月間、72人を対象に禁煙指導を行った結果は、禁煙成功率63%。先の臨床試験とほぼ同じ内容になりました。この禁煙成功者の共通点を探ると、次のようなポイントが浮かび上がりました。



 (1)病院での禁煙指導を欠かさず受診する(失敗者は受診回数が少ない)


 (2)受診を始めてから4週間以内に禁煙に踏み切る(成功者の81%が2週間以内、15%が次の2週間以内に禁煙を開始)


 (3)禁煙を始めたら早めに喫煙本数をゼロにする(成功者のほとんどは2週間以内にゼロに)



 また、禁煙中は食事の管理や運動習慣による体重増加(肥満)対策も重要になります。上記12週間の禁煙指導中の体重増加をみると、禁煙成功者は平均2.9kg増でしたが、失敗者では3.9kg増と多めでした。喫煙に対する意識だけでなく、食事や運動といった健康全般に対する注意度、コントロール力の差があらわれた結果とみられています。



 なお、病院での禁煙指導(禁煙外来)にはバレニクリンだけでなく、ニコチンパッチを使うコースもあります。健康保険が適応されるのは、ブリンクマン指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)が200以上などの条件を満たす喫煙者が、施設の敷地内全面禁煙などの条件を満たした医療機関で禁煙指導を受ける場合です。禁煙指導は初診+再診4回(2、4、8、12週目)の計5回行われます。

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