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噛めば噛むほど・・・!咀嚼の七不思議

やわらかい食べ物が増え、そしゃく力が衰えつつあるといわれる現代人。

 

一説によれば、弥生時代と比べると、一食当たりのそしゃく回数は6分の1に減っているとか。

また、戦前、通常の和食を食べていた際と比較しても、半分以下に落ちているという。

 

 

そしゃく回数が減ると、わたしたちの体にはどんな影響が起こるのだろう?

そしゃくがもつ、不思議な力に迫ってみよう!

 

 

噛むことがサルをヒトに変えた?

実はそしゃくのはたらきは、ヒトの誕生と密接なつながりをもっている。

 

 

人類の祖先である猿人が、火を使うようになったのがおよそ100万年前。このことによって、猿人たちは、食べ物をよく噛んで味わうようになった。 そしゃくするときは、ほほのやや後ろにある「咬筋」(こうきん)という筋肉を使う。

 

 

このとき、咬筋から感覚信号が送られ、大脳が刺激を受ける。そのため脳循環が活性化し、長い間をかけて脳が大きく発達する結果となったのだ。

 

 

 そしゃくに秘められた7つの効果

 

 そしゃくがもつ心身への健康効果は、はかり知れないものがある。

そのパワーをここで一挙ご紹介!

 

 

 アルツハイマー病を引き起こすとされる、たんぱく質「ベータアミロイド」。

脳の神経細胞を壊す、有害な物質だ。最近の研究によれば、このベータアミロイドは、口のそしゃく運動が少ないほど多くなるという。

つまり、よく噛む人ほど認知症になりにくいというわけだ。さらに脳が活発に機能し、反射神経や記憶力、認識力、判断力、集中力なども高まる。  

 

 

そしゃくは歯根に刺激を与えるため、歯を支える骨の細胞の新陳代謝をよくするといわれている。

また、唾液中には抗菌作用のある酵素や、カルシウムと結合して歯を強化するたんぱく質など、虫歯を寄せつけない成分が含まれている。

 

 

しっかり噛めば噛むほど唾液はたくさん分泌されるため、虫歯や歯周病の予防効果は高まるといえる。 食べ物をよく噛むと表面積が大きくなり、消化酵素による分解効率がよりアップする。

 

 

また、アミラーゼなど、唾液に含まれる酵素は、食べ物の消化を助ける大切な成分。

 

よく噛んで食べるほど、胃腸の負担は軽くなる。 唾液に含まれるペルオキシダーゼには、がんの引き金となる活性酸素を抑制する効果があるとされる。

 

がんだけでなく、心筋梗塞、脳卒中、動脈硬化、糖尿病などの生活習慣病にも有効だ。 そもそもアレルギー性の病気は、違う生体を体内に入れることによって起こるもの。

 

 

食べ物をよく噛み、消化吸収を促すことで、抗原抗体反応によって起こる食物アレルギーやアトピー性皮膚炎、小児ぜんそく、花粉症などはある程度、予防することができる。

 

 

食べ物をよく噛むと、エネルギーの生産能力は急上昇する。

また、そしゃくするうちに、唾液が多量に分泌され、血糖値が高まるため満腹中枢が刺激される。

そのため、食べ過ぎを防ぎ、効果的にダイエットができるというわけ。

 

 

さらに、顔の筋肉と骨が鍛えられ、しわを予防。若々しい表情をつくることも可能だ。

 力を入れるときに食いしばるのが奥歯。よく噛んで食べていれば、歯やあごが鍛えられ、ぐっと噛みしめて力を発揮することができる。

運動でも仕事でも、ここ一番の勝負では、日ごろのそしゃく力がモノをいう!

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