赤の「サンバーン」、黒の「サンタン」
紫外線による日焼けには2つある。
ひとつは肌が赤くなる「サンバーン」。
もうひとつは肌の色が黒くなる「サンタン」。
サンバーンは波長の短いUV-Bによって引き起こされる。
紫外線によって皮膚に化学物質が生成されるため、血管が拡張してしまう現象だ。
また、サンタンをもたらすのは波長の長いUV-A。
色素細胞がメラニン色素を合成し、皮膚の色をだんだんと褐色に変えてゆく。
これは、皮膚の細胞の遺伝子を紫外線から守るための作用だ。
通常は、日光に当たって8~24時間でサンバーンがピークとなり、2~3日後にサンバーンが消失するとサンタンが起こる。
ただし中にはほとんどサンバーンが見られない人や、サンタンが起こらない人もいる。
日焼けダメージ・トラブル 日焼けによる肌へのダメージは少なくない。
サンバーン状態がひどくなると、水ぶくれやむくみが起こる。
ときに痛みやほてりをともなう場合も。慢性的に紫外線を浴びた場合は、一部の色素細胞がメラニンを合成し続けるようになり、やがてしみとなってしまう。
さらにこの状態が続くと皮膚の弾力性が失われ、しわができる。
そして最も心配なのが皮膚がんだ。
通常、皮膚の基底細胞にある遺伝子は、UV-Bによっていったん傷つけられても再び修復されるが、ときに修復過程でエラーが起こることがある。
そのエラーが突然変異となった細胞が、やがてがんに発展してしまうというわけだ。
日焼けと皮膚がんの関係は、まだはっきりとはわかっていないが、長期にわたって浴び続けないよう気を配りたいもの。
また、がんには至らなくても、悪性のほくろや日光角化症という皮膚症状があらわれるケースもある。
さらに、人によっては、紫外線を浴びることで免疫機能に支障をきたすことがある。
このようなトラブルが起こると、感染症にかかりやすくなるので注意しよう。