ビジュアルイメージ
HOME > お知らせ > 健康ニュース > うつ病に伴う体の「痛み」も一緒に治療を....その1

うつ病に伴う体の「痛み」も一緒に治療を....その1

うつ病は、脳の神経伝達系の働きが低下した「体の病気」





 うつ病は、脳の神経伝達系の働きが低下したために起きる「体の病気」で、心理的な負担や疲労、環境の変化によるストレスが発症のきっかけになっていると考えられています。


生涯の間にうつ病にかかる確率(生涯有病率)は、日本では10~15人に1人とされており、年々増加傾向にあります。男女比でみると、女性は男性より約2倍、うつ病になりやすいこともわかっています。



 早期発見と早期に適切な治療や支援を行うことで、治すことができるので、早い段階でその兆候に気づくことが大切です。




 うつ病の主な症状として、気分の落ち込み、意欲や興味・関心の低下、思考力の低下、焦燥感・自責感などといった精神的な症状や、睡眠障害、疲労感・倦怠感、食欲低下、さまざまな不定愁訴といった身体的な症状があります。


 不定愁訴には、めまい、動悸、ほてり、胃のむかつき、便秘、下痢、そして体の「痛み」などが含まれます。




うつ病に伴う体の「痛み」には、頭痛、腰痛、背中の痛み、胸痛、関節痛、肩の痛み、首の痛み、歯の痛み、胃や腸など消化器の痛み、全身の漠然とした痛みなどさまざまです。


 しかし、そういった体の「痛み」がうつ病の症状の一つであることは、一般の人はもちろん、うつ病の患者さん本人にも、あまり知られていません。




 神経細胞は、シナプスと呼ばれる接合部で神経伝達物質をやり取りすることで、ネットワークを形成して情報を伝え合っています。この機能によって脳はさまざまな活動をしているのです。


 神経伝達物質のうち、セロトニンやノルアドレナリンは「気分」や「意欲」といった感情の安定に深くかかわっています。うつ病の患者さんでは、神経シナプス間のセロトニンやノルアドレナリンが減少し、感情の安定を司る脳の働きが低下することがわかっています。



 また、セロトニンやノルアドレナリンは、脊髄内の末梢神経からの「痛み」の伝達を抑制して脳に伝える働きがあります。しかし、疲労やストレスなどによりセロトニンやノルアドレナリンが減少し、その抑制機能が低下しているうつ病の患者さんでは、「痛み」の感覚が増幅してしまい、より強い痛みを感じます。

RSS・ATOMフィードはサイトの更新をリアルタイムに通知してくれる便利なツールです。