汚れた血液がたまるとどうなる?
私たちの血液には、大きく分けて2種類がある。
心臓から全身へ送り出される「動脈」と、全身からふたたび心臓へ戻っていく「静脈」だ。
静脈は、体中の組織に酸素や栄養を送り届けた後、二酸化炭素や老廃物などのゴミを受け取って心臓に戻る役目を持っている。
足の静脈は重力に逆らって心臓に戻らないといけないため、筋肉の力が必要なのと同時に、ところどころに逆流を防ぐための弁まである。
しかし、その弁が壊れ、血流が逆流して足にたまってしまう病気がある。
下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)だ。
長年の立ち仕事や出産などで静脈の機能がうまくはたらかなくなり、血液が心臓に戻されないままその場にたまり、皮膚の上から見ても異常な状態になってしまうというのだ。
●どんな人がなりやすい?
美容師など長時間立ちっぱなしの職業の人に多いほか、女性では妊娠(とくに2回目以降)をきっかけになることが多い。
これは、妊娠で大きくなった子宮によって骨盤内の静脈が圧迫され、そこから下の静脈にうっ血が起こるため。
静脈の弁や壁がもろいといった遺伝的な要素もあると考えられている。